進化し続ける人

ライ・クーダーニック・ロウの大阪公演を観て来た。

といっても、わたし自身は、どちらも名前ぐらいしか知らず(多分、うちにCDはあるのだと思うが)うちのひとが行きたいと言って、会場が自宅のすぐ近所だったので、行ってもいいかな、というぐらいの軽いノリで、出てきたおじさん2人が、どっちがどっちなのかも分からない始末。過去にもよく分からないまま連れて行かれるということは何度かあって、「キャリアの長い人たちのライヴは、さすがの実力で、曲を知らなくても楽しめる」という経験則もあって、なーんの予習もせずに行ってもやっぱり楽しかったのだが、写真ぐらい見ていけばよかったと、さすがに思った…。
帰り道、うちのひとも、一緒に行った友人も、「すごいわーうまいわー」と言い続けていたが、そんな話を聞きながらふと思った。
一流と呼ばれ、長いキャリアを積んでいる人でも、インタビューなどで「もっとうまくなりたい」なんて、サラリと言ってのけたりするが、そこまで打ち込める何かに出会う、ということも大変だし、一流と呼ばれるレベルに達することも大変だし、そこから「もっとうまくなりたい」などと、さらなる高みを目指すのも大変だと思う。まだやるかー?という気すらしてしまう。そもそも、一流になりたいという野望もない。
でも、そこまでがんばらないにしても、「ゼロ成長」はやっぱり嫌で、「昨日よりももうちょっと」というぐらいの気持ちはあって、そんなことを思いながら、試行錯誤する。どうやったらもっとうまくいくか、工夫する。そうやって、毎日少しずつ進化する。
以前、The Whoの大阪公演を観にいった時、ピート・タウンゼントが「ジャンプするには年を取りすぎた」と言っていた。そりゃ年を取れば、ステージの上でジャンプはできなくなるだろうけど、そのジャンプを補って余りあるものを積み上げて来たわけで、ライ・クーダーしかり、ニック・ロウしかり。大小はさておき「日々積み上げていく」ってことが、大事なんだろうな。