勝間和代を目指すべきか否か

勝間和代を目指さない」
なかなか刺激的なフレーズで、それにつられてつい買ってしまった、香山リカさんの「しがみつかない生き方」を一応読んだ。
世の中には「成功者」と呼ばれる有名な人たちがいて、そういう人たちが書いた本も書店に行けばたくさんおいてある。とはいえ、多くの人は、別に有名になりたくもなければ、大成功をおさめたいという野望も持たず、それでもちょっぴり背伸びをして、生きているもんだと思う。
勝間和代さんは好きである。最初は好きじゃなかった。「年収10倍アップ」って何だかギラギラして嫌だなぁとか思っていた。たまたま、出張先の書店で「勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド」を見つけて、勝間さんがどんな生き方をされているのだろう、仕事とか私生活とか、どうやって?と、ふと興味が湧いて手に取った。とりわけ、彼女の行動力にいたく惚れ込んでしまい、好きじゃなかった「年収10倍アップ」も後に買うことになったので、「インディ」を書いていてくださってよかったとつくづく思ったりするが、仕事もしっかりやって、家庭もちゃんとして、それなりに評価され、それに見合った待遇を受ける、という女性の見本って、残念ながら、やっぱり本とかテレビとか、メディアの中にしかいないんだなぁ、としみじみ思ったりもする。
勝間本を読むからといって、本当に年収が10倍になるとか、必ず成功者になれるとか、本気で思っている人がどれだけいるんだろうと思う。ただ、今よりはもう少し成長したくて、何かヒントが欲しくて、そういう本を手に取るんじゃなかろうか。
香山さんは著書の中で、

「私の成功は努力の結果だ。たとえ恵まれない状況に生まれていても、私の場合は、努力で今日の成功を勝ち取っていただろう」と考えることで、自分の成功は必然であり、不動のものであることを自分に納得させようとするのだ。そうやって失敗の可能性を否認し、失敗者などものの数ではないと否認しなければ、「明日は私も孤独と絶望の側に回るかも」という不安がむくむくと膨らみ、いても立ってもいられなくなるからである。

と書いているのだけど、「努力さえすれば何でも実現できる」なんて思ってもいないし、努力が成功につながるとは限らないことも知っていて、それでも、勝間さんも著書の中で書いておられるし、わたし自身もそうだったのだが、「昨日までは孤独と絶望の側にいた」人が、一歩踏み出すことで、そこから抜け出せることはあるってことを忘れずにいることは必要で、勝間和代を目指すのも、目指さないのも、多分両方が正解。

■今日聴いた1枚

THE DAYS OF GRAYS/Sonata Arctica
Sonata Arcticaの新作。最近仕事が忙しくて、発売当日に買いにいけなかったのだが(だったらネットで買えよ!)今日はノー残業デーだったので、仕事帰りにようやく手に入れてきた。前作でかなり物議を醸したプログレ風味が一段と強化された印象があり、初期の疾走Sonataが好きな人はどう思うんだろうなーと思いながら聴いていたが、わたし自身は近作の方が好きだったりする。